世界の料理は穏やかで美味しいよ

世界の料理を作っている。そういうとからい味でしょう?きつい匂いでしょう?と返事がかえってくることがある。いいえ、穏やかで優しくて時々懐かしいのです。味覚は個人差があるので、合う味の時もあれば、そうでない時もある。その一喜一憂より、総じて穏やかな味であることに我ながら驚き、静かに感動する。世界の料理を作り続けるのは、私が何より食いしん坊だからだが、その底流にはこの愉快な感情が流れているのだ。味で世界の人びととつながり、まるで微笑みを交わしあっている感じなのだ。