輝く大阪のおっちゃん

結局大阪に何年通っただろう。いろんな所に行った。いろんな美味しいものを食べた。

でも今思い出すのは決まって一人のおっちゃんなのだ。12時頃伊丹空港から電車に乗り梅田駅の改札で友人と待ち合わせをしていた。駅に着き改札に向かって歩いている時、駅員さんの詰め所のちょっと出っ張ったひさしに腰かけ足をぶらんぶらんさせているおっちゃんが目に入った。大の大人が足をぶらんぶらんだ。

でももっと驚いたのは、そのおっちゃんが実に機嫌良くにこにこしているのだ。長袖のシャツとどうということのないズボン。持ち物はなし。見る限りその日暮らしという感じ。

 

その時はただびっくりしただけで、友達とも会えてすぐ忘れた。

東京に戻り普段の生活をしている時、ふとおっちゃんの姿が浮かぶのだ。そして思い出す時は必ず

じんわり胸の中心があったかくなってもいるのだ。

いったいどういうことなのだろう。考えてみた。

おっちゃんは憧れなのだ。明るいこと。朗らかであること。何はともあれ生きていくということ。うだうだ言わずとりあえず笑って今日を生きる。その底抜けさ加減にほれぼれしたのだ。先輩!お手本とさせて頂きます!あなたの生きる力が好きです。あのおっちゃんに負けてはおれんばい。いつも輝いているのだ。