福岡県久留米と東京都東久留米は親戚 縁ははるか昔からつながっていた

     雨が激しく降ってきた。JR久留米駅から泊まっているホテルのある西鉄電車久留米駅まで、タクシーに乗ることにした。お米屋さんからほどなく、小さなタクシー会社があった。雨のためだろう、みんな出たっきりでしばし待つ。まだ母の生まれた土地に実際に立った余韻が残っている。心のどこかが、あーっと言っている。実際母が見ていた風景はこの中のどれなんだろう。あるいはほとんどないのだろうか。どちらにしても、あーっと言っている。つかめないもの。どうしようもないもの。でもどこか何か立ち上っているような。そう感じるものは何なのか。時代は変わり同じ空気を吸っているとは言えない。でも土地の記憶。この土地の何かが母の中にあり、受け継がれた私の中のそれと交応している。そんなことがあるだろうか。でも今、体の中で心の中でおこっていることは、一体なんなのだろう。タクシーが戻ってきた。

     その運転手さんは、ブリジストンに勤めていたことがあり、東京にブリジストンが支店を出すとき、技術指導で小平に来て何年か住んでいたことがあったのだという。小平といえばうちからすぐ近所。世界は狭い。何だか不思議。

     結婚して私は東久留米に住むようになったが、母は久留米の生まれ。東久留米の名前は、市が東にある久留米ということで名付けるようになったと聞いたことがある。何だか不思議。今までまったく気がつかなかったが、たどるとつながっている。たどらなければ、気が付かない。たどるとは過去へ行くのではなく、新しい何かを発見することなのだろうか。

     今晩は久留米のグルメ、焼き鳥を食べに行こう!